当院通所リハビリテーション利用者様の作品の【壁画】春の訪れ「ひなぎく」が「月刊 DAY 10月号」で入賞致しました。
「疲れ」は病気?! 『慢性疲労症候群』
- 疲れは病気として扱われます
新年が始まって、そろそろ普段の生活リズムを取り戻す時期になってきましたね。
年末年始の慌ただしさからか、つい感じてしまう「疲れ」、これが家事や仕事、外出に支障をきたすようになると、病気と判断され「慢性疲労症候群」という診断名がつくことになります。
忙しい人の多いこのご時世、誰しもがかかる可能性のある、この「慢性疲労症候群」についてご紹介します。
【慢性疲労症候群とは】
・非常に強い疲労が半年以上続いた場合を「慢性疲労症候群」とする。
・主な症状は微熱、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛、睡眠障害。
・現在は上記から総合的に判断するので、診断は難しい。
・国内患者数は20~30万人。
・発症原因は未解明。
・根本治療法も未開発。
こう見ると、根本治療が未開発だったり、発症原因が未解明なものもあり、いろいろ心配になってきそうですが、最近は診断方法も確立されてきています。
あの理化学研究所、大阪市立大学、慶応義塾大学などの共同チームが血液1滴に含まれるある成分の質量分析という方法を見つけ出したのは記憶に新しいところです。
- 日本人の6割が日頃から疲労を感じている?
過半数が疲れているとなると、自分は大丈夫なんて安易に考えられない状況ですね。
そこで、予防方法として以下のことをお勧めします。
1に適切な食事(内容、分量、タイミング)
2に休養(睡眠、息抜き)
3に運動(歩行、筋肉トレーニング)
特に3についてはストレスによる自律神経機能の低下(代謝機能低下)を予防します。
当たり前の話ですが、人間は体を休ませる間に栄養を吸収し、かつ必要とされる部分に送って回復させようとします。この仕組みを主に自律神経系が支配していますが、その支配中枢は脳にあり、強いストレスを感じて機能しなくなった結果、回復が遅れるわけです。しっかり眠っても疲れが取れた感じがしないという場合、これに当たることが多いです。
またストレスにより体がこわばった感じがすることはありませんか?
筋肉が緊張し、伸び縮みの幅が狭まると血流が抑制されてきます。栄養は血流に乗って行き渡るので、血が流れなければ疲れが取れにくくなる、という訳です。
そこで、適度な速さの歩行によりストレスを発散しながら血流を促すと、こわばった部分を動かすことで特定の筋をほぐす効果のある筋肉トレーニングがお勧めなのです。
疲れは病気だと考えると、やっぱり予防が必要です。風邪の予防で手洗いやうがいをするように、日常的に運動をしてみませんか?
(作成:健康運動指導士 渡邉和人)
※渡邉先生の運動教室「にこにこ体操教室」は、毎週金曜日午後に開催しております。お問い合わせはクリニックの電話03-3209-3333までお願いいたします。
杖の選び方・使い方
みなさんは杖をお使いになる際、正しくお使いいただいているでしょうか?
杖には多くの種類と長さ、用途によって使い方もまちまちです。
ここではみなさんに杖の選び方と、使い方について少しお話しようと思います。
皆さんは杖の役割りをご存知ですか?
杖には免荷、バランスの補助、歩行リズムの3つの役割があります。
免荷は、荷重を免れるということですが、杖に体重をかけると反対側の足への荷重が少なくなります。
まず、どんな方が必要なんでしょうか?
足が痛い!腰が痛い!筋力が落ちてきた!
もちろん、主治医の先生に使いなさいと言われた時は使って歩行するのが安全でしょう。
杖を持つ歳じゃない!見栄えが悪い!なんてマイナスのイメージもあると思います。
しかし、正しく使えば歩行時の安全性も高まり、転倒防止にもつながります。
まず、杖の種類です。
一般的に想像する杖はきっと※1のような杖だと思います。
※1
※2
今回はこの杖についてお話ししましょう。
名称も色々あり、T字杖、ステッキ、F字型ステッキと呼ばれています
この杖も折りたたみのもの、長さ調節が出来るものアルミ質や木で出来ているものがあるんですよ!
今は女性向けにおしゃれなものも増えてきています。
自分が握りやすく、気に入ったものを選ぶといいですね。
次に杖の握り方ですが、グリップの短いほうが前向きで握り、人差し指と中指の間で支柱を挟みます。
中には支柱を挟まないでグリップを握る方が安定して歩くことができる人もいます。
≪※2参照≫
足の痛みが無い方の手で握ります。
そして痛い足と同時に杖を出しましょう。この時、杖と痛みのある足に力が分散されるので痛みのある足に負荷がかかりにくくなります。
腰が痛い方は利き手や力の入る方に持ちましょう。
長さは購入した所や、当クリニックなど、専門スタッフに見てもらうのが一番ですが、目安をお話すると靴を履き腕を下げた状態で、床から手首までの高さか、床から大転子(腰骨下)までの高さに持ち手が来る長さが理想的な長さとなります。≪※3参照≫
この状態で杖を持ったとき、杖が足の外側15cm、肘が約30℃ほど軽く曲がっているのが適当です。
あくまでも目安なので、実際に歩いてみて長さを調節してみましょう。
さて実際に歩行するにはどうするでしょうか?
歩行リズムは、歩行が不安定になると「イチ」「二」という二拍子のリズムで歩くことが困難になります。
そこで「イチ」「二」「サン」と三拍子のリズムでゆっくり歩く方法≪三動作歩行≫もいいですね。
※3
なんとなくご理解いただけたでしょうか?
当クリニックではいつでも長さを調節しますし、杖のゴム先の交換もしています。
安全な歩行のお手伝いのため、ぜひこの機会に杖を見直してみてはいかがでしょう?
それではまた皆さんのお役に立つお話をご用意しておきますね。
ではまた次回のコラムをお楽しみに~。
(作成:皆川)