「疲れ」は病気?! 『慢性疲労症候群』
- 疲れは病気として扱われます
新年が始まって、そろそろ普段の生活リズムを取り戻す時期になってきましたね。
年末年始の慌ただしさからか、つい感じてしまう「疲れ」、これが家事や仕事、外出に支障をきたすようになると、病気と判断され「慢性疲労症候群」という診断名がつくことになります。
忙しい人の多いこのご時世、誰しもがかかる可能性のある、この「慢性疲労症候群」についてご紹介します。
【慢性疲労症候群とは】
・非常に強い疲労が半年以上続いた場合を「慢性疲労症候群」とする。
・主な症状は微熱、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛、睡眠障害。
・現在は上記から総合的に判断するので、診断は難しい。
・国内患者数は20~30万人。
・発症原因は未解明。
・根本治療法も未開発。
こう見ると、根本治療が未開発だったり、発症原因が未解明なものもあり、いろいろ心配になってきそうですが、最近は診断方法も確立されてきています。
あの理化学研究所、大阪市立大学、慶応義塾大学などの共同チームが血液1滴に含まれるある成分の質量分析という方法を見つけ出したのは記憶に新しいところです。
- 日本人の6割が日頃から疲労を感じている?
過半数が疲れているとなると、自分は大丈夫なんて安易に考えられない状況ですね。
そこで、予防方法として以下のことをお勧めします。
1に適切な食事(内容、分量、タイミング)
2に休養(睡眠、息抜き)
3に運動(歩行、筋肉トレーニング)
特に3についてはストレスによる自律神経機能の低下(代謝機能低下)を予防します。
当たり前の話ですが、人間は体を休ませる間に栄養を吸収し、かつ必要とされる部分に送って回復させようとします。この仕組みを主に自律神経系が支配していますが、その支配中枢は脳にあり、強いストレスを感じて機能しなくなった結果、回復が遅れるわけです。しっかり眠っても疲れが取れた感じがしないという場合、これに当たることが多いです。
またストレスにより体がこわばった感じがすることはありませんか?
筋肉が緊張し、伸び縮みの幅が狭まると血流が抑制されてきます。栄養は血流に乗って行き渡るので、血が流れなければ疲れが取れにくくなる、という訳です。
そこで、適度な速さの歩行によりストレスを発散しながら血流を促すと、こわばった部分を動かすことで特定の筋をほぐす効果のある筋肉トレーニングがお勧めなのです。
疲れは病気だと考えると、やっぱり予防が必要です。風邪の予防で手洗いやうがいをするように、日常的に運動をしてみませんか?
(作成:健康運動指導士 渡邉和人)
※渡邉先生の運動教室「にこにこ体操教室」は、毎週金曜日午後に開催しております。お問い合わせはクリニックの電話03-3209-3333までお願いいたします。