杖の選び方・使い方
みなさんは杖をお使いになる際、正しくお使いいただいているでしょうか?
杖には多くの種類と長さ、用途によって使い方もまちまちです。
ここではみなさんに杖の選び方と、使い方について少しお話しようと思います。
皆さんは杖の役割りをご存知ですか?
杖には免荷、バランスの補助、歩行リズムの3つの役割があります。
免荷は、荷重を免れるということですが、杖に体重をかけると反対側の足への荷重が少なくなります。
まず、どんな方が必要なんでしょうか?
足が痛い!腰が痛い!筋力が落ちてきた!
もちろん、主治医の先生に使いなさいと言われた時は使って歩行するのが安全でしょう。
杖を持つ歳じゃない!見栄えが悪い!なんてマイナスのイメージもあると思います。
しかし、正しく使えば歩行時の安全性も高まり、転倒防止にもつながります。
まず、杖の種類です。
一般的に想像する杖はきっと※1のような杖だと思います。
※1
※2
今回はこの杖についてお話ししましょう。
名称も色々あり、T字杖、ステッキ、F字型ステッキと呼ばれています
この杖も折りたたみのもの、長さ調節が出来るものアルミ質や木で出来ているものがあるんですよ!
今は女性向けにおしゃれなものも増えてきています。
自分が握りやすく、気に入ったものを選ぶといいですね。
次に杖の握り方ですが、グリップの短いほうが前向きで握り、人差し指と中指の間で支柱を挟みます。
中には支柱を挟まないでグリップを握る方が安定して歩くことができる人もいます。
≪※2参照≫
足の痛みが無い方の手で握ります。
そして痛い足と同時に杖を出しましょう。この時、杖と痛みのある足に力が分散されるので痛みのある足に負荷がかかりにくくなります。
腰が痛い方は利き手や力の入る方に持ちましょう。
長さは購入した所や、当クリニックなど、専門スタッフに見てもらうのが一番ですが、目安をお話すると靴を履き腕を下げた状態で、床から手首までの高さか、床から大転子(腰骨下)までの高さに持ち手が来る長さが理想的な長さとなります。≪※3参照≫
この状態で杖を持ったとき、杖が足の外側15cm、肘が約30℃ほど軽く曲がっているのが適当です。
あくまでも目安なので、実際に歩いてみて長さを調節してみましょう。
さて実際に歩行するにはどうするでしょうか?
歩行リズムは、歩行が不安定になると「イチ」「二」という二拍子のリズムで歩くことが困難になります。
そこで「イチ」「二」「サン」と三拍子のリズムでゆっくり歩く方法≪三動作歩行≫もいいですね。
※3
なんとなくご理解いただけたでしょうか?
当クリニックではいつでも長さを調節しますし、杖のゴム先の交換もしています。
安全な歩行のお手伝いのため、ぜひこの機会に杖を見直してみてはいかがでしょう?
それではまた皆さんのお役に立つお話をご用意しておきますね。
ではまた次回のコラムをお楽しみに~。
(作成:皆川)