コラム

痛風・高尿酸血症2015/5/1

 新年度がスタートし、学校や会社などで健康診断を受ける方も多いと思います。

今回は健康診断で「高尿酸血症」「痛風」と言われた方向けのコラムを掲載してみました。

 

<プリン体と尿酸について>

プリン体は、DNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)といった細胞の核の中にある核酸などを構成する

成分のことを言います。

このプリン体がからだの中で分解されると「尿酸」が出来上がります。

血液の中に尿酸が多くなりすぎている状態を「高尿酸血症」と言い、

尿酸はそれ以上分解されないので最終的にはからだにたまってしまい痛風が起きます。

 

<痛風とは?>

増えすぎた尿酸は尿酸塩(尿酸の結晶)として関節などにたまり、激しい痛みを伴う炎症を起こします。

これがいわゆる「痛風」という症状になります。

痛風は9割以上が成人男性に発症しますが、痛風の背景には

持続する高尿酸血症があることから、高尿酸血症の診断基準が以下のように定められています。

【高尿酸血症の定義】

   正常:血清尿酸値 7.0㎎/dL以下(年齢・性別を問わず)

高尿酸血症:血清尿酸値 7.0㎎/dLを超える場合(年齢・性別を問わず)

 

では、血液中に尿酸が増える原因はどのようなものがあるでしょうか?

 

  1. 体内で尿酸が多く作られてしまった場合

     偏った食事、肥満など先天性の代謝異常、造血器疾患、無酸素運動、アルコール過剰摂取

     尿酸の排泄が悪い場合

 

 2.遺伝的体質、無酸素運動、脱水、アルコール過剰摂取、肥満、腎不全など

 

  3.①と②の両方

 

このような状態を放っておくと、痛風だけでなく脳血管障害や心疾患などの重大な病気を合併する危険があるので

早めに治療をしていくことが大切です。

 

<痛風の治療>

治療は薬物でのコントロールが中心となりますが、生活習慣の修正も大切です!

 

  •  肥満の解消

食事例

主菜:魚介類、肉類、卵、大豆・大豆製品などの中からメインを1品に

副菜:野菜、海藻、きのこ、芋、豆類などがメインのおかずは毎食2品以上そろえるようにしましょう。

主食:ごはん、パン、麺類は毎食適量を。夜遅い場合は控えめに!

汁物:塩分の取り過ぎを防ぐためにも1日1杯まで

栄養バランスの良い食事を心がけ、ウォーキングや水泳などの適度な有酸素運動をしましょう。

 

  • 水分をじゅうぶんとりましょう

1日の尿量が2リットル以上になるのが目標です。

その時ジュースやアルコール類ではなく、水やお茶を飲むようにしましょう。

水分をしっかりとって、尿量を増やすようにしましょう。

  •  アルコール類は控えましょう

アルコール自体に肝臓での尿酸酸性を亢進させ、腎臓からの排泄を低下させる作用があります。

適量の範囲で飲んでいて尿酸値が高い場合には、1~2日飲まない日をつくるようにしてみましょう。

 

【1日のアルコールの適量】

・ビールロング缶1本 500㎖

・日本酒1合

・ワイン1/3本

・ウイスキー シングル 2杯

  • プリン体をとりすぎないようにしましょう

尿酸値の上昇については、食事からの影響より体内での合成や排泄の影響が大きいことが明らかになってきましたが、

プリン体の多いものは連続して大量に食べないようにしましょう。

プリン体の多く含まれる食べ物の一覧

痛風(高尿酸血症)は症状が出現する前からの対策が大切です。

当クリニックでは血液検査を行うことにより、予防や治療を開始することができます。

お気軽にお問合せください。

(作成:助川クリニック 看護師 大塚)

参考文献:東京医科大学 内科学第三講座 就任教授 小田原 雅人

     聖マリアンナ医科大学 栄養部部長 川島 由起子 監修

     MSD株式会社パンフレット 「痛風・高尿酸血症と言われたら」

 


職場の健康管理 ~産業医について~2015/4/8

4月になり、新しい環境でスタートされる方も多いと思います。
今回は、働く方に向け、職場の健康を守る産業医についてお話いたします。

■産業医とは?
産業医とは、職場において労働者の健康管理等を行うために、事業者に選任される、資格を持った医師のことです。

常時50人以上労働者を使用している事業所には、産業医の選任をしなければなりません。(労働安全衛生規則 第13条)

 ※労働者数50人未満の事業所については産業医の選任義務はありませんが、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師等に、労働者の健康管理等の全部または一部を行わせるように努めなければならないとされています。 相談窓口(無料です)→地域産業保健センター(厚生労働省HP) 各都道府県産業保健総合支援センター(サービス内容は「健康診断結果に基づく医師からの意見聴取」「脳・心臓疾患のリスクが高い労働者に対する保健指導」「メンタルヘルス不調の労働者に対する相談・指導」「長時間労働者に対する面接指導」等です)

■産業医の業務
では産業医は職場で何をするのでしょうか?
具体的に挙げてみます。

①安全衛生委員会への参加
産業医の他に、衛生推進者などの衛生管理に携わる方や総務の方が月1回会を開き、労働者の健康や職場の安全衛生に関することなどを話し合います。
個人情報の守秘義務があります。

②月1回以上の職場巡視
職場をまわって、きれいに整理整頓されているかどうか、非常口は確保されているか、備品は備わっているか、温度や湿度・照度に問題は無いか、衛生状況はどうかなどを実際に巡視して、それの改善点を安全衛生委員会で話します。

③労働者との面談指導の実施と健康を保持するための措置
長時間労働などで疲労の蓄積が認められる労働者、または、産業医との面談を申し出た労働者などと面談し、指導します。
また、労働上の措置が必要と思われた時は、時間外労働の制限、出張の制限、労働時間の短縮、医療機関への受診勧告、紹介状の作成などをすることもあります。

④健康診断結果の就業区分判定
健康診断結果に基づき、問題なく働けるのか?を判定します。
例えば、健康診断で難聴とめまいを指摘された方がいたとして、6か月後に経過を見ましょう、という健康診断を実施した医師の判断があったとします。普通ならそれで問題はありません。ただその方がもし高所作業に従事していたら、めまいや難聴は命取りになりかねません。それはすぐにでも他の作業に移った方がいいですよね。健康診断を実施した医師は、その方の労働内容まではわかりません。ですから、その方の労働内容を知っている産業医が、健康診断結果に基づき就業について意見をします。この場合は、「高所作業などの危険を伴う作業以外への配置転換」を会社に進言することになります。
今年の12月から開始されるストレスチェックの判定も行います。

⑤復職プランの作成
休職されている方と面談し、復職の可否の意見書を提出したり、その後の復職に向けてのサポートや、復職してからのプラン作りなどをします。

⑥健康相談
希望の労働者の健康の相談にのります。
例えば、「あごが痛いけれど、どこの科に行けばいいのか?」とか、「健康診断の結果で、高脂血症を指摘されたけれど、どういう食事を摂ればいいのか?」などの相談にも応じます。

■産業医をうまく使うには?
産業医は基本的に診察や処置、注射などの医療行為はしませんが、労働者や職場の健康管理を行い、指導アドバイスをします。
何か自分の健康で問題が生じたとき、または生じそうなとき、不安があるときはぜひ、その事業所で選任されている産業医と面談をしてください。
その時には仕事内容や、労働時間などの就業状況や、心身の疲労についてや、自覚している症状、そして睡眠・食事などのプライベートな生活状況まで、様々なことを訊かれると思います。
なるべく率直に答えて頂ければと思います。
会社側に筒抜けになるから遠慮したい、という方もいらっしゃるかもしれませんが、産業医は守秘義務があり、また、労働者本人の同意無しには労働者の主治医と連絡をとりません。
実際に労働者の心身が不調になり、病気により休職となる前に、その原因を探り、職場に問題があればその措置をとることが、事業者側も、労働者側も、とても有意義なことだと思います。もしその労働者が疾患により休職すれば、もちろん本人にとっての一大事だというだけではなく、事業者側は急きょ新しい人材の確保と教育をしなければなりません。病気になり休職になってしまうのは、労働者本人はもちろんのこと、事業者にとっても、望ましいことではありません。

 (作成:産業医 早稲田)


「花粉症」対策~治療法とセルフケア~2015/2/13

花粉症とは

花粉症は、スギなどの花粉が抗原(アレルギーの原因物質)となって起こるアレルギー疾患の一種です。厚生労働省の調査によると、わが国のスギ花粉症の患者数は人口の約16%に上ると推定され、この20年間急増しています。

花粉症が急増した背景には、戦後の積極的な植林による花粉飛散数の増加と、空気汚染などの生活環境の悪化があると考えられています。

 


 

【対策と治療】

花粉症にならないためには、生活環境などの改善が急務ですが、すでに花粉症にかかっている方に対しては、QOL(クオリティ オブ ライフ)を高めて、シーズン中、少しでも快適に過ごせるように対策を立てる必要があります。

毎年激しい症状に悩まされている方でも、早い時期から適切な治療を受け、シーズン中も花粉を遠ざける工夫をすれば、症状をかなり抑えられることがわかっています。

これをご覧になる皆さんには、花粉症の治療法やセルフケアなどに関する正しい知識を身につけ、つらい花粉症シーズンを乗り切っていただければと思っています。

 

花粉症の治療は他の鼻や眼のアレルギーの治療と基本的には同じですが、ある時期に急激に花粉にさらされるため、急性の強い症状への配慮も必要となります。治療法を大きく分けると、以下のように症状を軽減する対症療法と根本的に治す根治療法の二つがあります。

【対症療法】

内服薬による全身療法

点眼、点鼻薬などによる局所療法

鼻粘膜への手術療法

 

【根治療法】

原因抗原(花粉など)の除去と回避

減感作療法(抗原特異的免疫療法)

 


 

花粉症のセルフケア

・出掛ける前の準備

マスク:花粉症用のマスクでは花粉流入が約1/6に減少

めがね:花粉症用のめがねでは花粉流入が1/4程度に減少

コート:けばけばした花粉のつきやすいものを着ることは避ける。

※また花粉情報に注意し、花粉の飛散が多いときには無駄な外出は避ける。

 

・帰宅時、家での過ごし方

コートや屋外で身につけた衣類を居室に入れない。

すぐに顔を洗い、手洗い・うがいをする。

花粉の飛散が多いときには窓の開け閉めに注意する。

 

・生活習慣

ストレス、睡眠不足、飲みすぎなど、鼻粘膜の状態を悪化させる因子を抑える。

軽い運動などは花粉防御をしたうえでは推奨される。

全く症状をなくすことは不可能ではあるが、少しでも症状を軽くすることに注力する。

 


 

厚生労働省のHPには上記の内容以外にもいろいろな情報が掲載されています。

他にも「花粉症の治療にはどのくらいお金がかかりますか」というQ&Aもありますよ。

ご興味があれば以下からご覧になって下さい。

厚生労働省ホームページ

 

(作成:健康運動指導士 渡邉和人)

※渡邉先生が行ういきいき運動教室は、毎週金曜日午後14:00から開催しております。

お問い合わせはクリニックの電話03-3209-3333までお願いいたします。

 


「疲れ」は病気?2015/1/15

「疲れ」は病気?! 『慢性疲労症候群』

  • 疲れは病気として扱われます

新年が始まって、そろそろ普段の生活リズムを取り戻す時期になってきましたね。
年末年始の慌ただしさからか、つい感じてしまう「疲れ」、これが家事や仕事、外出に支障をきたすようになると、病気と判断され「慢性疲労症候群」という診断名がつくことになります。
忙しい人の多いこのご時世、誰しもがかかる可能性のある、この「慢性疲労症候群」についてご紹介します。

【慢性疲労症候群とは】

・非常に強い疲労が半年以上続いた場合を「慢性疲労症候群」とする。

・主な症状は微熱、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛、睡眠障害。

・現在は上記から総合的に判断するので、診断は難しい。

・国内患者数は20~30万人。

・発症原因は未解明。

・根本治療法も未開発。

 

こう見ると、根本治療が未開発だったり、発症原因が未解明なものもあり、いろいろ心配になってきそうですが、最近は診断方法も確立されてきています。

あの理化学研究所、大阪市立大学、慶応義塾大学などの共同チームが血液1滴に含まれるある成分の質量分析という方法を見つけ出したのは記憶に新しいところです。

 

  • 日本人の6割が日頃から疲労を感じている?

過半数が疲れているとなると、自分は大丈夫なんて安易に考えられない状況ですね。

そこで、予防方法として以下のことをお勧めします。

1に適切な食事(内容、分量、タイミング)

2に休養(睡眠、息抜き)

3に運動(歩行、筋肉トレーニング)

特に3についてはストレスによる自律神経機能の低下(代謝機能低下)を予防します。

当たり前の話ですが、人間は体を休ませる間に栄養を吸収し、かつ必要とされる部分に送って回復させようとします。この仕組みを主に自律神経系が支配していますが、その支配中枢は脳にあり、強いストレスを感じて機能しなくなった結果、回復が遅れるわけです。しっかり眠っても疲れが取れた感じがしないという場合、これに当たることが多いです。

またストレスにより体がこわばった感じがすることはありませんか?

筋肉が緊張し、伸び縮みの幅が狭まると血流が抑制されてきます。栄養は血流に乗って行き渡るので、血が流れなければ疲れが取れにくくなる、という訳です。

そこで、適度な速さの歩行によりストレスを発散しながら血流を促すと、こわばった部分を動かすことで特定の筋をほぐす効果のある筋肉トレーニングがお勧めなのです。

疲れは病気だと考えると、やっぱり予防が必要です。風邪の予防で手洗いやうがいをするように、日常的に運動をしてみませんか?

 

(作成:健康運動指導士 渡邉和人)

 

※渡邉先生の運動教室「にこにこ体操教室」は、毎週金曜日午後に開催しております。お問い合わせはクリニックの電話03-3209-3333までお願いいたします。


杖の選び方・使い方2014/12/10

杖の選び方・使い方      

みなさんは杖をお使いになる際、正しくお使いいただいているでしょうか?
杖には多くの種類と長さ、用途によって使い方もまちまちです。
ここではみなさんに杖の選び方と、使い方について少しお話しようと思います。

皆さんは杖の役割りをご存知ですか?
杖には免荷、バランスの補助、歩行リズムの3つの役割があります。
免荷は、荷重を免れるということですが、杖に体重をかけると反対側の足への荷重が少なくなります。

まず、どんな方が必要なんでしょうか?
足が痛い!腰が痛い!筋力が落ちてきた!
もちろん、主治医の先生に使いなさいと言われた時は使って歩行するのが安全でしょう。

杖を持つ歳じゃない!見栄えが悪い!なんてマイナスのイメージもあると思います。
しかし、正しく使えば歩行時の安全性も高まり、転倒防止にもつながります。

まず、杖の種類です。
一般的に想像する杖はきっと※1のような杖だと思います。  
 ※1 IMG_3668 
※2IMG_3670

今回はこの杖についてお話ししましょう。
名称も色々あり、T字杖、ステッキ、F字型ステッキと呼ばれています
この杖も折りたたみのもの、長さ調節が出来るものアルミ質や木で出来ているものがあるんですよ! 

今は女性向けにおしゃれなものも増えてきています。
自分が握りやすく、気に入ったものを選ぶといいですね。

次に杖の握り方ですが、グリップの短いほうが前向きで握り、人差し指と中指の間で支柱を挟みます。
中には支柱を挟まないでグリップを握る方が安定して歩くことができる人もいます。
≪※2参照≫

足の痛みが無い方の手で握ります。
そして痛い足と同時に杖を出しましょう。この時、杖と痛みのある足に力が分散されるので痛みのある足に負荷がかかりにくくなります。
腰が痛い方は利き手や力の入る方に持ちましょう。

長さは購入した所や、当クリニックなど、専門スタッフに見てもらうのが一番ですが、目安をお話すると靴を履き腕を下げた状態で、床から手首までの高さか、床から大転子(腰骨下)までの高さに持ち手が来る長さが理想的な長さとなります。≪※3参照≫ 
この状態で杖を持ったとき、杖が足の外側15cm、肘が約30℃ほど軽く曲がっているのが適当です。
あくまでも目安なので、実際に歩いてみて長さを調節してみましょう。

さて実際に歩行するにはどうするでしょうか? 
歩行リズムは、歩行が不安定になると「イチ」「二」という二拍子のリズムで歩くことが困難になります。
そこで「イチ」「二」「サン」と三拍子のリズムでゆっくり歩く方法≪三動作歩行≫もいいですね。
※3 IMG_3677

なんとなくご理解いただけたでしょうか?
当クリニックではいつでも長さを調節しますし、杖のゴム先の交換もしています。
安全な歩行のお手伝いのため、ぜひこの機会に杖を見直してみてはいかがでしょう?
それではまた皆さんのお役に立つお話をご用意しておきますね。
ではまた次回のコラムをお楽しみに~。

(作成:皆川)


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